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子供の頃から歩道橋が好きだ。
信号と違って、自分の都合で大きな道路を渡って行ける。
橋の上から車の背中を見ていると、馬に見えてくる。
東京砂漠なんて言葉があったけど、私の広野は緑の草原。
手摺りに触れると、季節の移ろいを感じる。
冬は本当に冷たい。
できたら、この手摺りの上に鳥のように座ってみたい。
変なステッカーや張り紙、サビのはげ具合。
どの橋も、個性的。
生きているようにも思えてくる。
実は少しずつ、移動していたりして。
現実にはできないことを思い描ける場所はどこでも好きだ。
影の梯子。
踏み外したおかげで、まだ現実に生きてる。