東京の地下鉄の路線図をはじめてみたとき、人間の神経図みたいだと思った。
隣りの線が何かを知っておかないと、歩いたら近いのに、電車だと一度戻って大回りになったりして、ややこしかった。
最近は携帯電話のおかげで、行きたい場所を入力したら、隣りも前後も線も間隔も関係なく、まっすぐ行きたい駅にたどりつける。
いろんなことがつながりあっているということを忘れてしまいそうで怖い。
地下鉄で。
大きな地下鉄路線図を広げてみているおじいちゃま、お二人。
ちょっと混んでいたので、お互いに立っていた。
私の前がちょうどあいたので、「どうぞ」と言ったら、びっくりするほど無邪気な笑顔で「ありがとう」と返事があった。
久しぶりに会ったお友達同士みたいで、冒険に行くような風情だった。
「よし!日本橋に行こう!!」と、頷きあっていた。
長く話したわけじゃないけど「おねえちゃんが笑ってくれたからいいよね」と言って、ますます楽しそうだった。
持つ人が持つと、なんでも宝ものにみえる。
路線図だから、宝もの探しの地図だなあ。
あ、“おねえちゃん”は、私です。