緑とオレンジの風船が、少し先を歩いていた。
たくさんの人がいたけど、頭ふたつみっつ上空で調子良く進んでいた。
そのまましばらく目を離していたら、突然しゅーーーーっっと空にのぼっていく風船が!
思いのほかスピードがあって、あっという間にみえなくなった。
風に巻き取られるように、進んでいた方向と真逆へと旅立っていった。
大きな声で泣いている子がいたから、きっとその子の手から飛んでいったんだろうなあ。
ついでに一日の疲れも加えて泣いてるようだったから、夕飯の頃にはケロっとしているかな?
びっくりするほど大きな声。うらやましい。そんな風に泣いたら、私の内臓はねじれちゃいそう。
風船は、今夜の夢のなかで君を待っていると思うよ。