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2017年8月12日土曜日


外出から戻って、家の近くまできて、やっぱりもうちょっと歩こうと思ったりすることがよくある。

自宅前を素通りして、隣りの駅まで行って引き返してみたり、行ったことのないコンビニをさがして歩いてみたり。

そして、そういうときは、もう家には戻れないような気がしてくる。

歩いてきたはずの道は消えてしまっているかもしれないし、

たとえ家の前まで戻れても、自分の持っている鍵では、扉が開かなくなっているかもしれない。

どうしようかな?と思うのだけど、

ただ真っ直ぐ歩いて行けるところまで行けたら、幸せだなあと思う。

逆に言えば、この先どこへも行けない可能性があるなら、帰らなくてもいいと思ったりもする。

家も、家にある物も、いったい何なのだろう。

私に必要な物しかないはずなのに。

今日は土曜日で、街がにぎやかで、私も便乗して華やかな気持ちで帰路についた。

明日もいい日なんだと、今日が終わってもいないのに確信しながら。

誰もいない道は、映画のセットみたいだった。

蝉の鳴き声だけが現実をつくっているみたいで、夏が終われば、時間も止まっちゃうような気がした。

だけど、すでに秋の虫の声もする。

世界を回しているのは、小さい小さい君たちなんだね。

ご近所の猫が、車も通るというのに、道の真ん中に座っていた。

1点をみつめて、じーっとしている。

きっと、このままどこかへ歩いていこうかと考えているのかも。

私に気づいて、逃げるように玄関のある道の端っこに戻ってしまった。

「ここは私の家よ。」と言っているような顔で私にアッチイケ視線を送ってくる。

こちらは何年も顔見知りなのに、いつになったら親愛の視線をいただけるのでしょうか。

コンビニで、かき氷を買った。

初めてみるバイトくんがレジ係だった。

いつもは入っていないスプーンが入っていた。

なんだか嬉しかった。

無事に家について、金でも、銀でもない木のスプーンでかき氷を食べた。


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