今年の桜は早めに咲いたから、4月までもたないかと思っていたけれど、まだつぼみの花もあるから、もう少し楽しませてもらえそうだ。
台風のときに枝が折れた木は、剪定されて、かなり前衛的な木として立っている。
夜空を支えているようにもみえた。
花は、ドレスのよう。
はかなく散るからいいと言うけれど、なんだったら、あとひと月、このままでもいいのに。
とくに、今年は。
いつかふり返ったら、あのときは大変だったねと言い合えるように、まずは元気でいよう。
不安がいっぱいの未来だけれど、いいときでも悪いときでも、未来は同じようにどうすることもできないし、わからない。
たとえばごはんを食べているとき。
これが最後の食事かもしれないと思うと、私には不安よりも、お茶碗のなかの炊き込みごはんが大切だった。
自分の時間を、不安に費やさない。
そう思うだけで、今の過ごしかたが少しだけ角度を変える気がする。
薄紙ほどなら、明るくもなる。
それを毎瞬くりかえして、今は未来だと思っているいつかのときを、「悪くない」と思えたらいいなあと思っている3月最後の夜。
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