朝の空は、まだ台風の尾っぽが影響していたから、
世界に白い布をかけたような曇り空。
みたことがない白い世界だった。
雨が止んだだけでも嬉しくて洗濯をしていたら、
いきなり矢印のような太陽光が部屋に届く。
そこだけ明るくなった床を触ったら、熱の贈り物。
今日だけ猫になりたかった。
風のリボンがほどけたら、あっという間に空が青。
今日の青は堂々としていた。
夕暮れ前の数時間、海の近くまで遠征。
私は黒いセーターを着ていたけれど、
気分は夏休みかゴールデンウィークだったから、
夕焼けの冷えた風が身にしみた。
だけど、傷にしみたというよりは、
愛情みたいに、しみこんできた。