渋谷から東急田園都市線にのると、ずっと地下を走っているのに、二子玉川にさしかかると、ぱーっと空がみえる。
あのぱーっと感が二子玉人気の根っこにあるような気がして、その場所を通過するたびに、人間はやっぱり太陽が好きなんだなって(というか私が好きなんだけど)納得する。
光のゴールテープが広がってるんだもの。
「いつか、ここに住めるようにがんばろう」と、20代の頃は思っていた。
結局、私のゴールはここには無かったみたいだけど、定期的に呼ばれるように足を踏み入れる。
今日は、たくさん空を見上げた。
雲がいろんな形をしていて、それぞれのかたまりが楽団のようだった。
あっちもこっちもいろんな音を鳴らしてそれぞれのメロディーをまっとうして消えていく。
雲だからこうあるべき、なんてどーでもいいぜ。
芸術家がいっぱいだった。
ご近所のヒマワリたちが、萎れて枯れてうなだれた悪い宇宙人のようになってきた。
みんな葉っぱの腕を苦しげに悔しげにねじっている。
きっと、夏が永遠だと思っていたのね。
秋が来るって、知らずに地球にきたのね。