あったかいを通り越えて、暑いといいたくなる陽気。
それでも冬物に身を包んでいた私。
冷えは季節関係なく、気温でははかれないのだ。
身体が夏だと理解してくれるまで、とっても時間がかかる。
日暮れ、たくさんの家族連れが行き交う道で飛び込んできた声。
「ねえねえ、前の海がきれいだよー!」
そこには、淡いピンクと水色の空しかなかったけれど。
海にみえたのか、ただの言い間違いだったのか。
だけど、空にも海があるのかもしれないなあと思った。
大人には理解しないとみえないものがいっぱいある。
誰もいなくなった公園。
すくっと立っていたタンポポ。
綿毛を送り出して、堂々としている。
私には、電球みたいに明るい花が咲いてるようにみえた。