ある曲の思い出。
今のようにインターネットが一般的では無かった時代。
面と向かって言っていただく数人の方の感想が、全世界の総意のように思えた。
「流行りじゃない」「暗い」という感想をきくたびに、ポジティブな意味合いで「せつない曲」とは言い難いのだとしたら、単純にいい曲じゃないからだと、リリース直後、落ち込み気味でした。
だけど、渋谷のセンター街でたまたまきこえてきたラジオに魔法をかけてもらった。
その流行りじゃない暗い曲の紹介には、「センチメンタルソング」という冠がついている!
カタカナで書くと、なんだか和風ですけれども、ネイティブイングリッシュの発音だと、とってもおしゃれな、胸キュンソングのようにコーティングされていたのです。
自分もラジオをやっていた時期だけれど、どなかたの曲を紹介するとき、あんなに素敵に音楽の背中を押してあげられなかったと思う。
話すというのは、放すこと。
放送で送るものは、愛だと思うし、受け取るかたが嬉しくなる包装をして贈るものだと思う。
ある曲の思い出と書いたけれど、曲の話しがしたかったんじゃないの。たくさんの言葉が無数に飛び交う世界だから、思い出したのです。
PCのキーボードのenterキーは、世界放送への入口みたいだよね。