10年前。
色んな場所で歌わせていただく機会に恵まれた。
今思えば、なぜあんなステージにしちゃったんだと申し訳なさでいっぱいになる記憶もあったり。
自分は、自己満足という泥沼のなかにいるんだと気づかせてもらえて、私にとっては本当に実り多い時期だった。
でも、一気に実るわけもなく。
少しずつ、“今ならわかる”ことを積み重ねて10年。
もっとはやく成長できないものかと思うけど、自己満足と同じく、自己否定も根腐れしちゃうから、やらない。
明日、23日は、ファーストコンサート記念日。
1994年6月23日、代官山ヒルサイドテラス。
本番の日のことより、電車に乗りながら、ひたすらぶつぶつ歌詞をつぶやいていたリハーサル時期の記憶のほうが鮮明。
どの靴も、声の邪魔になるようで、裸足でステージに上がったのでした。
当時の私は、道に迷ったオオカミ少女みたいだったなあ。
きれいなものや、かわいいものが似合いたいのに似合わなくって、そこにはまらない自分は、はみ出し者のように感じていました。
何より、自分の歌がきいてくれる人にちゃんと届いていることが信じられなかったように思う。
コンサートの日も、なぜお客さんがいるのか、とにかく不思議だった。
あの日のぶんも、感謝しよう。
今日はどこにも足を向けない気持ちで、オオカミ、丸くなって寝ます。